10月11日(金)は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 田中章愛さんが登場。田中さんは、教育現場でも活用されている小さなキューブ型ロボットトイ『toio™︎』を開発。開発の舞台裏や、プログラミング教育の意義などを番組ナビゲーターの川田十夢さん(AR三兄弟)と語りました。▼目次ロボコンで学生の姿を見て印象に残ったことロボットを軸としたコミュニティー『Robotics Open eXchange ROX』の一環で、広島で開催されたロボコン『ROX プレイベント 2024』で共にする機会があった田中さんと川田さん。田中さんは、このロボコンで学生が使うキットを設計したとのことで、川田さんからは、自身が提供したキットを学生たちが使うことでどんな心境になったかと質問が。田中さんは「本番で動いてくれという祈る気持ち」と、学生の皆さんが「寝る暇を惜しんで作ったロボットが動いているところを感動して見ていたのが印象的でした」と振り返りました。そんな田中さんは自身も「ロボット少年」だったそう。「小学生の頃からロボットをずっと作ってきて、今も仕事にできているというのはありがたい」と語ります。小さなキューブ型ロボットトイ『toio™️』とは?ROXで見せてくれて、すごく楽しそうで興味を持ちました、と川田さん。田中さんが開発を手がけた『toio™️』は、触って遊べるロボットトイのプラットフォームで、「toio™️ コア キューブ」を使って、さまざまな遊び方を楽しむことができます。「僕もメーカーにいたことがあって、製品を作る苦労もなんとなく分かるんですけど、感覚的に遊べるものを作っているのが素晴らしいなと思って」(川田さん)「直感的に並べたカードを、ロボットがセンサーで読み取って、カードの種類を判別して動きます。とにかく並べたら『プログラミングできちゃった』みたいな。初めての方のプログラミングの原体験になったらいいなという思いでやっています」(田中さん)。川田さんは「これはすごく大きなことだと思いますよ。“プログラム”(という言葉)は由来として“あらかじめ書く”という意味があるじゃないですか。あらかじめ書いたものが動くんだなと思いがちだけど、多分次の“コンピューティング”は違うんですよね。プログラムの概念も新しくしていかなきゃいけない。目の前にあるものをロボットが観測してどんどん学習。これは本当に素晴らしいですよ」と、『toio™️』の設計思想を称賛。川田さんが「AIと連携させて学習して、自走装置にもなるわけですよね」と聞くと、田中さんは「サッカーロボットを作ってどんどん強くなるとか、そう使っている方もいらっしゃいますね」と実例を挙げました。挫折して感じた「楽しいと思う気持ちの大切さ」また、カードを並べるだけという直感的なインターフェイスの裏には、田中さん自身の原体験も大きく反映されているよう。川田さんが「(田中さんが触れた)プログラムって何が最初でした?」と聞くと、「小学校のとき『BASIC』をやっていて挫折しまた」「当時のプログラミングロボットキットが難しすぎて、入力を一字一句間違っちゃ駄目…みたいなところもあって、うまく動かなくて挫折したので。もっと簡単にならないかな(と思った)というのは、今にも繋がってます」と田中さん。「その挫折があるからカードにしちゃった、みたいなところが?」という川田さんの質問に、田中さんは「そうですね。最初に挫折すると、克服するのに僕は数年、4〜5年かかって中学校でやっと『やっぱり楽しい』って思えた」と、一度プログラミングに挫折した体験を明かし、最初に「楽しい」「すぐできた」と思った方がプログラミングについて食わず嫌いにならないと語りました。「どうしてもプログラミングって難しそうと感じちゃうんですけど、触って動かしたらいつの間にかプログラミングになっていた、というぐらいの方が自然に入っていける」と田中さん。 川田さんはさらに、プログラミング教育の必修化という近年の動きについて「どう感じてます?」と田中さんに質問。「知る機会・触れる機会があるというのはすごく大事だなと。そこから先、好きになるかどうかは別で、個人の自由だとは思うんですけれども、やっぱり食べたことがないものは好きになりようがないというのと一緒で、つまみ食いでもいいからちょっとでも体験したことがあるというのは重要」とその意義を語った田中さん。加えて、その原体験が「楽しかった」「何か作りたいものができた」と思えるものになればいいと語りました。『toio™️』も「小・中学校でプログラミングの授業にも使われていますし、自治体単位で導入していただいたり」(田中さん)といいます。田中さんと川田さんは、『toio™️』の自在に組み立てられるインターフェイスと文学作品のストーリーを組み合わせるなどといった、『toio™️』の教育の場での活用のさらなる可能性についても語りました。その中で、田中さんは「プログラミングをすると人の気持ちがわかるというか、ロボットの視点を獲得できて、相手の気持ちになることを理解する一番近道なんじゃないかなと思ったりもしています」という示唆も。永遠に追い求めるテーマ「つくって、あそんで、ひらめいて。」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。田中さんが自身を切り取った言葉は、『toio™️』のキャッチフレーズでもある「つくって、あそんで、ひらめいて。」「僕自身ずっと感じてきたこと」で、「作って、自分で遊んで試して、そこから新しいひらめきに繋がっていくというのは永遠に追い求めるテーマでもあるし、子どもたちにも感じてもらいたいなと思っています」とその言葉に込めた思いを語りました。フォントは「誰にでも優しい文字になるのが素晴らしい」「黒板から遠いお子さんが見てもちゃんと読めるとか、いろんな配慮がされていて素晴らしい設計だと、思想にも感動しました」と、「ヒラギノUD角ゴ」(メーカー:SCREENグラフィックソリューションズ)をセレクトしました。PODCAST配信中 | 川田十夢×田中章愛本記事の放送回をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.sonicbowl.cloud%2Fepisode%2F8923ff72-c3c3-4eaa-b4c0-3f63fdede615%2F%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20height%3D%22240%22%20width%3D%22100%25%22%20style%3D%22border%3A0%22%3E%3C%2Fiframe%3E