10月25日(金)は、2025年大阪・関西万博のブランディング推進のためのデザインシステム「EXPO 2025 Design System」クリエイティブディレクター・アートディレクターを務める引地耕太さんが登場しました。今回の放送では「EXPO 2025 Design System」構築の舞台裏や策定にあたっての狙い、これからの時代のデザインのあり方を掘り下げていきました。▼目次スマホ、AR・VR時代に対応するデザインづくり「EXPO 2025 Design System」は、「いわゆるデザインのルールみたいなもの」「全体のブランディングを作っていって、(いかに)万博らしい振る舞い、見え方を作っていくかというようなもの」と引地さんは解説。「ロゴマークを起点にしながら、どういう展開を作っていくかというのがお題としてあった」といいます。大阪・関西万博公式サイトによると「EXPO 2025 Design System」は、「万博のさまざまなインターフェースを統一し、アナログ・デジタルの境界線を超えて一貫した体験を提供することを目的」としたものとして定義されています。デザインシステム 2025年の万博、日本、大阪・関西で開催!テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」このシステムについて番組ナビゲーター・川田十夢さんは「見事でしたね。例えばデザインのテンプレート。プレゼンするときのテンプレートにもなるし、『会場はこちら』みたいな看板の一つにもなるだろうし、『万博に協賛しています』などと色々出したいときのシステムにも使える。スマホの中にも入るかもしれないし、VRやXRのどの世界にもカチっとハマるものを作ったなと思って。素晴らしいです」とその印象を語り、万博のロゴマークが動く動画が公開されている点にも触れました。引地さんは、「近年、Uberなどグローバルなテクノロジー系のブランドだと、モーションがどうやって動くかというのもブランドらしさに繋がっていくという考え方があって」と制作の意図を説明。「どんな風に動くんだろうと想像しながら作っていって、それを今後の展開の基軸にしてもらうというような形で作りました」といいます。%3Ciframe%20width%3D%22620%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FcGa9zI9ljKo%3Fsi%3Dx1PGuRP2Kgw9qxLH%26amp%3Bcontrols%3D0%26amp%3Bstart%3D52%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E「EXPO 2025 Design System」策定にあたっては、前提として「デザインポリシーを5か条作った」そう。5か条の中には「デジタルとアナログ・仮想と現実を行ったり来たりする境界を崩すようなデザインシステムにすべき」という項目を入れていたとのこと。川田さんが「僕らが過ごしている時間は、現実の方がむしろ少ないというか、画面の中にいたりするからね。その中でもちゃんと活きるロゴタイプ、デザインというのは重要ですよね」とその意義を語ると、引地さんも「若い子たちが使うのはやっぱスマホだったり、これからAR、VRもどんどん出てくる中で、そこを無視してブランドというものを作れないなというところもあった」と振り返りました。また、引地さんがご自身のSNSに寄せられるさまざまなコメントや質問に対して丁寧に答えている点に触れた川田さん。「最近、『タイポグラフィについて学びたいんだけどこの学校は行くべきでしょうか』みたいな進路相談のポストにまで答えられていましたね」。これについて引地さんは「僕が今美大で教えているところもあって、元々Xを学生たちに語り掛けたらどうかなというつもりで始めたので。それがデザインを学ぶ人だったり、学ぶ人じゃなくてちょっとデザインに興味がある人も『わかりやすい』と言ってくださることがあって。学生に語りかけるつもりでやっているので、できるだけ(相談や質問に)答えないと、という感じですね」とアカウント活用への思いを語りました。「デザイン」をなるべく開いていきたいデザイン業界の変化についても語った引地さん。以前は「ヒーロー、スターデザイナーみたいな人」が「バーンといて」やってきたことが、ある種「開かれていく」形で、いろんな方がデザインという言葉を使い始めるようになったといいます。そして大阪・関西万博のテーマも「いのち輝く未来社会のデザイン」。「デザインという言葉が、万博の大テーマに入っているんですね。これが1970年代の万博(1970年の大阪万博のテーマ)だと『人類の進歩と調和』といって、科学技術やテクノロジーが中心になって、そこからバブル(経済)に向かっていってどんどん経済成長していったという流れだったんですけど、今回の万博はデザインが中心になっている。デザインの可能性や力を、世の中の人に少しでも知ってもらえるチャンスだなとも捉えているので、なるべく開いていきたいなという気持ちがあってやっていますね」と引地さん。大阪・関西万博のコンセプトが「—People’s Living Lab— 未来社会の実験場」 である点にも触れ、「未来の実験的なことが、建築も含めていろいろ詰まっています。世界中のクリエイターたちがそこに集まってくる。ぜひいろんな人に見ていただきたいなと思っています」と語りました。デザイナーは形にして世の中に出していく「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。引地さんが自身を切り取った言葉は、「ミライをカタチに」。デザインとは何かとよく聞かれるそうですが、「未来を作る」「未来を構想する」という時に「デザイナーはできるだけそれを形にしていく。それをより解像度を上げて具体的なものを世の中に出していく」ということが大事だといいます。それを表した「ミライをカタチに」という言葉。「自分がこれまでもやってきたしこれからもやっていきたいなと思っていること」と語りました。そして、引地さんが選んだフォントは「A1ゴシック」です。PODCAST配信中 | 川田十夢×引地耕太本記事の放送回をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.sonicbowl.cloud%2Fepisode%2F2923a863-dab2-4bd6-8485-f6a70034e2f7%2F%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20height%3D%22240%22%20width%3D%22100%25%22%20style%3D%22border%3A0%22%3E%3C%2Fiframe%3E