11月8日(金)は、ネオンサインのデザインやネオンサイン調のイラストレーション(ネオン画)を手がけるアーティスト・はらわたちゅん子さんが登場。自身がネオンに興味を持った原体験などを語りました。▼目次原体験の一つは高知県のネオンの光景近年の昭和・平成カルチャーのリバイバルに伴い、そのデザインが改めて注目されることも多いネオン。はらわたさんはそのネオンに特化した作品を生み出しています。番組ナビゲーター・川田十夢さんが、ネオンに興味を持ったきっかけを訊ねると「それまで別の仕事をしていたんですが、デザインの仕事をしたいなと思って」数年前まで社会人学生をしていたといい、その時に「街のデザイン、看板の文字や街の風景に、それまでも好きだったんですけどもことさら目が行くようになって、その中でネオンサインも街の要素の一つだなと気づいて」と振り返りました。「実際僕もネオンをデザインしてみてわかったんですけど、すごく難しいなと思うのが、構造上できないこともあるじゃないですか。それを守らないとイラストとしてもリアリティがなくなりますよね。その辺はどうやって学んだというか、やりながらですか?」とさらに川田さんが質問すると、「そうですね。やっぱり街歩きが好き。そこでネオンを観察して自分の絵に落とし込んだという感じなので。やっぱりフィールドワークですかね」といいます。こういった街で見てきた光景に加え、自身が高知県出身であることを挙げたはらわたさん。「高知出身です、と言ったら『お酒強いんでしょう』とよく言われるんですが、それぐらい飲み文化が盛んな街で。やっぱりネオンと言えば、“夜の街”じゃないですか。街にちょっと出ればネオンがたくさんあったし、昔からやっている居酒屋さん、古い看板がたくさんあったりしたので、そういう風景に長く触れてきたのが元々の原体験としてあるかなと思っています」とのこと。作品に「一億かけていい」と言われたら?ネオンサイン調のイラストレーションから、ネオンサインのデザインまで手がけるはらわたさん。川田さんは「ちゅん子さんの作品はどこで完結するんですか?」と「紙の上」で描くか「ネオン化」するか、そのゴールについて質問。 はらわたさんは「ネオン画ができた段階で完成ではありますが、どこでどういう形で見ていただくかを考えると、それ(ネオン画)を一概に完成だとは言えないというのをすごく感じまして」と、東京・目黒のホテル雅叙園東京にある東京都指定有形文化財「百段階段」を舞台にしたグループ展『古今東西ニッポンの風景』での経験を振り返ります。古今東西ニッポンの風景 (作品の展示は終了しています)「下見に呼んでいただいたときに、単純にプリントしたネオン画だけじゃここの(場所の)パワーに勝てない」と感じ、屋外広告を手がける企業・アオイネオンの協力でネオンサインを制作。「本物のネオンが、宴会場だった客室の一室に入ったんですが、目張りをして真っ暗になった純和風の部屋の中で、ネオンの明かりがすごく怪しく素敵に灯っていまして、これはお願いして良かった(と思った)」とはらわたさん。「自分が描いて完結とはまた違う次の一歩、どこで(作品を)見ていただくかということは考えないといけないな」と感じたそう。 川田さんの「例えば作品作りに一億かけていいよと言われたら、何を作りますか?」という質問には、「ネオン街を作りたいです」とはらわたさん。「去年香港に遊びに行ったんです。香港のネオン街って有名で、写真でも皆さん見たことあって思い浮かぶと思うんですけど、今、法規制やコロナ禍があってお店が閉店しちゃって、どんどんネオンサインが減っていっちゃっているんです。もう写真でよく見る景色はないんですね。だから1億かけていいよと言われたら作りたい」と語りました。作品が主役であってほしい「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。はらわたさんが自身を切り取った言葉は「光と影」。そして選んだフォントは、「トンネル」。 「すごく丸みのあるキュートな個性的な文字を選びました」と「トンネル」を選んだ意図を語りました。「光と影」という言葉の意味については、「(ネオンという)作品はすごく華々しいんですが、私自身はあまり前には出ないようにしていて。作品が主役であってほしいなというのがあるので。作品が光・私が影みたいな…ということでその言葉を選びました」と解説。その言葉通りご自身の顔は明かしておらず、写真でも顔を隠した形で登場いただきました。 フォント「トンネル」については「(文字の)地が重なっているところにラインができているので、これがネオンの線にも見えたりもしますし、そういう意味でこのフォントにも光と影じゃないですけど、地と図、地と線みたいなことを感じて、このフォントを選ばせていただきました」と語りました。PODCAST配信中 | 川田十夢×はらわたちゅん子本記事の放送回をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.sonicbowl.cloud%2Fepisode%2F20ad6fd8-5e1e-4364-8afd-5702cc34b47c%2F%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20height%3D%22240%22%20width%3D%22100%25%22%20style%3D%22border%3A0%22%3E%3C%2Fiframe%3E