11月15日の「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、11月20日にシングル「雷神 風神 - レゾナンス」をリリースし、12月4日には24枚目のオリジナルアルバム『スブロサ SUBROSA』のリリースを控えるBUCK-TICKより今井寿さんが登場。昨年、ボーカルの櫻井敦司さんが急逝した中で完成したこのアルバムについて、その制作舞台裏や想いを語ってくれました。▼目次いち早く発信したこれからの活動まずは最新アルバム『スブロサ SUBROSA』について、「BUCK-TICKって、“最新作は最高傑作”ということを続けてらっしゃったと思うんですけど、音楽の広がりという意味、拡張という意味で今までにないアルバムだし、また最高傑作だな」という感想を語った番組ナビゲーター・川田十夢さん。BUCK-TICK New Album『スブロサ SUBROSA』(公式特設サイト)川田さんは、2023年7月に行われたBUCK-TICKのライブ「BUCK-TICK TOUR 2023 異空-IZORA-」の東京ガーデンシアター公演を鑑賞、終演後に挨拶をする機会があったそう。「7月にお邪魔したときは櫻井(敦司)さんもいらっしゃって。ライブはとにかく凄まじくって素晴らしいなと思って。僕は開発者でもあるので、BUCK-TICKを拡張できるとしたらどんなふうにできるんだろうなということを勝手に考えてた矢先に、櫻井さんが亡くなりまして。今井さんも、BUCK-TICKメンバーの方も、ファンの方も動揺されたと思うんですけど、今井さんはいち早く『続けるからね 大丈夫』とInstagramで書いていましたね。」「(投稿した時には)もう皆さんのコンセンサスが取れてたんですか」と川田さんが質問すると、今井さんは「いや、まだかな…。まだあまりそういうところまでは言ってなかったけど、もうどんどん頭に渦巻いてくるものをどんどん言ってこうかなと」と投稿の意図を説明。さらに川田さんは、櫻井さんが亡くなった後の日本武道館でのライブ「バクチク現象-2023-」でのMCで今井さんが「ずっと一緒にいると思います」と話していたことが印象的だったと振り返ります。その時にすでにニューアルバムの構想があったかを聞くと、今井さんは「具体的にはないけど、先に言っちゃうっていうのもあったし。あと、やっぱり4人でやったらどういう景色になるのかっていうのもすごく興味あったし」と明かしました。今井寿さんや星野英彦さんがボーカルを務めた背景今回は、そういった経緯でリリースに至ったアルバム『スブロサ SUBROSA』制作の舞台裏を掘り下げていきました。川田さんは、これまで櫻井さんが務めてきたボーカルを今井さんや星野英彦さんが担当したことについて「それは結構最初の段階で決めたんですか」と質問。「まず...現実的に考えて、新メンバーっていうのはないだろうな、じゃあ歌はどうするのかとなったときに、やっぱり2人しかいないなというところで、曲調も変わっていくだろうし、そんな感じで(メンバーの)4人で話はしましたね」と今井さん。「アルバムを聴かせてもらって、今井さんのボーカルはよりリズムが増したっていうか、すごいタイトになりましたね」と話す川田さん。星野さんについても、「食事をさせてもらった時は、ボーカル練習してるっておっしゃってた」とエピソードを振り返り、「練習の成果っていうか、そもそも星野さんは歌を作る時ご自身の声で作ってらっしゃったんですよね」と続けると、今井さんは「そうです。僕らは星野の歌いぶりは慣れてる、知ってるので。『俺も歌うよ』って言ったときは何にも違和感なかったんですよ」と明かし、星野さんのボーカルについて「メロディアスなところ」を「きちんと歌える人」と語りました。 新体制で生まれたこのアルバムについて、川田さんは「1990年代や2000年代の、すごい実験していたときのBUCK-TICKの雰囲気と近いなと感じた」と印象を述べると、「言われてみればそうですね。それはあると思います。実験をするっていう、それを楽しんでるというか」と今井さん。川田さんはさらに「1990年代、バンドサウンドとデジタルのテクノロジーが融合し始めた一つの流れがあったと思うんですけど、そのときに近しい爆発・化学反応みたいものを、ニューアルバムからも感じることができました」とアルバムの感想を続けました。今井寿さんの芸術への向き合い方そんなアルバム『スブロサ SUBROSA』から、新曲「冥王星で死ね」を放送内で初解禁。川田さんからは「アルバム通して聴きたくなる、いい曲ばかりなんですけど、特にこの曲が好きで。この曲に関して、今準備していることもありまして...。さっきまで撮影もしていたんですけど、実はいろいろと関わらせてもらっていただいております」と今後の情報解禁を期待させる発言もありました。さらに川田さんは、デザイナーの横尾忠則さんがBUCK-TICKに関わるプロジェクトをSNSで先立って予告していた点を入り口に、今井さんの芸術やアートへの興味を掘り下げました。「今井さんって、芸術とか好きですよね。展覧会とか結構行ってらっしゃって。アートから受け取るものとかあるんですか」と川田さんが質問すると、「そういうもの(芸術)に触れると...というか観に行くと、やっぱり元気をもらうというか。本当 それこそ『やってはいけないことってないんだな』という、すごい力をもらいます」「それが(自分の中で)少なくなってるなという時に、それを観に行ったりすると気持ちが昂る、嬉しくなってくる」と芸術との向き合い方を語りました。「やりたいようにやるのが一番綺麗」アートやその後のトークに出た漫画の話の流れから、川田さんが「ミュージシャンもいろいろな人がいて、見聞きしたものを出さない人もいますけど、今井さんは結構その時の興味が歌の中に出るように感じますね」と伝えると、「ああそうかもしれないですね」と今井さん。「あまり意識はされていないんですかね?」と続けると、「そうですね...あまり意識はしてないですね。そのまま自然に出すという感じだと思います」とのこと。前述のトークでも言及のあった、川田さんが『スブロサ SUBROSA』で感じた「1990年代のBUCK-TICKの実験精神」に近いという印象と絡めて、「バンドとデジタルが融合するということが国内外で1990年代にたくさん行われていましたけど、そのときのワクワク感があるのが、実はすごいトレンドなんじゃないかなと思ってたんですけど、今井さんはトレンドとか考えるんですか」と改めて質問すると、今井さんは「いや考えないですよ」「自分が興味があるものを、変に意識せず、やりたいようにやるのが一番綺麗かなと」と制作にあたっての頭の中を明かしてくれました。自身を切り取った一言は「軽々とHAPPY」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。今井さんが自身を切り取った言葉は「軽々とHAPPY」。フォントは「…これが合うなと」正統派のオールドスタイルの明朝体「きざはし金陵」を選び、川田さんは「明朝体のフォントでHAPPYっていうのがすごく今井さんらしくていいですね」とコメントしました。PODCAST配信中 | 川田十夢×今井寿(BUCK-TICK)本記事の放送回をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.sonicbowl.cloud%2Fepisode%2F265e4f9d-5870-48a4-92f0-715292648b9e%2F%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20height%3D%22240%22%20width%3D%22100%25%22%20style%3D%22border%3A0%22%3E%3C%2Fiframe%3E