12月6日(金)は、東京・虎ノ門ヒルズ「TOKYO NODE」にて12月27日(金)まで開催中の“体ごと⾳楽に没⼊する新感覚の⾳楽体験ミュージアム”「MUUUSE : MUSIC MUSEUM」でGallery Aの音楽・音響を担当し、蓮沼執太フィル、映画、ドラマ、演劇、ダンスなどさまざまな分野の音楽制作を手掛ける蓮沼執太さんが登場。「MUUUSE : MUSIC MUSEUM」での自身が制作した音楽について、また、音楽活動におけるテクノロジーとの関係性などについてお話しされました。蓮沼さんと番組ナビゲーターの川田十夢さんは、以前「小林幸子、鎮座DOPENESS、蓮沼執太、川田十夢」名義のコラボレーションで生まれた楽曲「文明単位のラブソング」で共演した実績もあります。▼目次長くその場にいてもらえるような音響設計・音作りまずは「MUUUSE : MUSIC MUSEUM」Gallery Aについて、「ご自身が説明するとしたらどんな展示なんでしょうか?」と川田さん。蓮沼さんは、「『自然の記憶』というテーマで作らせてもらったんですけど、『自然の記憶』って人間が考えてもすごく難しいテーマ。それをコンセプトに音楽を、そして立体音響で空間を作ってくださいというオファーだったので、頭が真っ白になった感じですかね」と最初の印象を振り返ります。川田さんが天球型のドームを持つGallery Aの様子を「触れる球体みたいものがあって」「(球体の)触っていいのかなという箇所を触ると、(その空間を覆う)大写しになっているプロジェクションマッピングの空間に反応がある、不思議な体験ですよね。内側外側がひっくり返るみたいな」と解説し、「Yogiboもあるからちょっと横になりながら人が体験しているのを見ているんですけど、その場所がなんか心地いいんですよね。だからどういう作り方をしたんだろう(と思った)」と、会場で感じた雰囲気を元に楽曲制作の意図について蓮沼さんに質問すると、「Gallery Aは『MUUUSE』に入ると最初の空間なので、どういう状態か・どういう展示なのかというのが多分わからないでいらっしゃる方が多い」とこの空間を捉えたという蓮沼さん。「いきなり技術力で圧倒させることはまずしないで、長くその場にいてもらえるような音響設計にはしたい、音作りにはしたいと思っていた」と語りました。さらに川田さんは、「ミュージアムの最初のブース・最初に見る展示って何か始まり・生命の誕生みたいな、そういうものが多い気がして。蓮沼さんも意識したのかなってちょっと思いました」と感想を続けます。すると蓮沼さんは、「そうですね。最初に作った音がビッグバンの始まりのシーン。それから曲を作っていくことは生まれて初めてだったので、SF映画のサントラを作る気持ちではありました」と振り返りました。音楽におけるテクノロジー川田さんは、蓮沼さんと「テクノロジーの話をそんなにしたことないなと思って」と、音楽制作におけるテクノロジーの活用について、どのように考えているか質問。シンセサイザーが「主に使う楽器」という蓮沼さんは、「シンセサイザーってデジタルとアナログがあって、アナログの不安定さもいいし、デジタルのように数字を送ったらその通りになるという、どちらも良さがあって」と語り、楽曲制作ソフトについても、「ラップトップで曲を作っているんですけど、AIはプラグインの中にも自然に入っているので結構日常的に使っているんだと思います。それはやっぱり何か効率的に答えを出すとか、出さなきゃいけないとかに使ってる時の方が現状は多いです」「作品が作られる根幹でAIを使うというのは、あまり日常的にはやってない」といいます。「ランダム」を作品に取り込むのが好き一方で、「僕、ランダムっていうのが結構好きで」と切り出した蓮沼さん。「自分でコントロールしない。そういうのって、シンセでもエフェクターでもいろんなところにあるんです。自分が想像もし得ないミスとか、思いもしないエラーみたいなものを作品に取り込むのが好きなんですよ。だからAIも、まだ人間主導だと思うんですけどのちのち反転するかもしれないし、そういったときに自分のクリエイションの中に、ドスンと真ん中にいるという可能性もあるんじゃないかななんて、思っています」と明かしました。そんな蓮沼さんに川田さんは、来年挑戦したいことを質問。「今年実は立体音響でパフォーマンスをするというのを全国ツアーでしてたりもしたんです。(今年すでに)やっちゃったな、というのがあったので、来年はそうですね…ちょっと山にこもりますかね?頑張っていいものを作ります」と、引き続き曲作りへの意欲を語りました。自身を切り取った一言は「意外と大雑把」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。蓮沼さんは本番前に先にフォントから選んでおり、そのフォントは「闘龍」(メーカー:昭和書体)。闘争心にあふれ、力がありあまった若い龍が、空を舞うさまをイメージして作られたフォント。そのフォントから導き出した言葉として「意外と大雑把」と自身を表現。「本番前に、十夢さんが『細いスタイリッシュな文字選びそう』と言っていたので、そんなことないぞと(笑)」、と力強いフォントを選んだ経緯を明かした蓮沼さん。これに対し川田さんは、今回の放送でも蓮沼さんが「ランダム」について語ったことに触れ「パブリックイメージでもそうだと思うよ」「大雑把というのは、大胆さだと思う。本人の言葉で大雑把というのはすごいいいですね」と結びました。PODCAST | 川田十夢×蓮沼執太本記事の放送回をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.sonicbowl.cloud%2Fepisode%2Fdc6ffa72-55a2-4e1e-b90e-e7340d448672%2F%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20height%3D%22240%22%20width%3D%22100%25%22%20style%3D%22border%3A0%22%3E%3C%2Fiframe%3E