2月21日(金)は、マーダーミステリー専門スペース「Rabbithole」の運営をはじめ、マーダーミステリー配信番組の企画監修や、TVドラマ・朗読劇などのミステリープランニングも行う体験クリエイター・酒井りゅうのすけさんが登場。「マーダーミステリー」の魅力を語っていただきました。▼目次キャラクターの設定を理解して「自由に会話」番組ナビゲーター・川田十夢さんは「最近会った人みんなに言うぐらい衝撃的な体験で、面白かった。連続ものの海外ドラマとかあるじゃないですか。あれを全部見ないと陥らないぐらいの読後感、見た後の感じで、身体から物語が抜けない!」とマーダーミステリーの楽しさを表現。川田さんがそのマーダーミステリーの手ほどきを受けたというのが、今回のゲスト・酒井さんです。酒井さんに改めてマーダーミステリーとは?と聞くと、「殺人事件の起こるミステリーものを皆さんで解き明かすような感じです。7人・8人集まっていただいて、その物語の登場人物ごとのキャラクターの設定書を読み込んでいただく」ことからスタート。例えば、川田さんが体験した時は20分程度で7〜8ページ程度のものだったそう。「設定を理解して、その先はもうその設定を使って自由な会話をします」と酒井さん。「事件が起こるので、事件の犯人役がその中にいるんですよね。なので、全員が謎を解き明かしたいわけではなくて、犯人は解かれたくない状態で、情報の出し方を工夫したり嘘をついたりする」「事件を解き明かしたいけど、自分の秘密を明かしたくないと思っている人物もいたり」と、それぞれ違う思惑がある登場人物になった参加者の間でやり取りがスタートする。そして「1時間半から2時間ぐらいみんなで議題について会話をしていただいて、最終的な事件の犯人は誰なのかを当てる。当てないという選択もある」とゲームを解説。「そのキャラクターの決断によって物語がちょっとずつエンディングの形を変えていく、みたいな遊びですね」と酒井さん。参加者の発言は無限川田さんは、「ゲームブックみたいな感じもあるし、ロールプレイング的でもあるし。あと何より、ミステリー(小説)を読んでいるのと違うのは、登場人物になっているから、この物語の関係性とか世界観を崩せなくなるんですよ。その体験がやっぱり、どの遊びとも違いますね」とその魅力を語ります。「推理小説を読んでいる時やゲームをしている時って、少なくとも川田さんは“川田さんとしての考え方”を使って体験されているけど、マーダーミステリーの時はそれがキャラクター側によるというか、普段の思考パターンではない思考が入ってきていて、そこが一番僕も体験として面白いかなと思っているところですね」と酒井さん。川田さんはキャラクター設定を読み込んだ参加者の発言によって、物語がどこまで枝分かれするかにも着目。そのミステリーの中で「ゲームを回す狂言回しの役割」を担う酒井さんにその点を聞くと、「体験中の皆さんの発言は、もう本当に無限なんですよ。どの会話から始めてもらってもいいし、僕すらも聞いたことがないような発想で会話をされることもあるので、まず中盤においては無限という感覚」といいます。そして後半では「犯人は誰だ」という点で大きな物語の分岐があり、「それ以外にも分岐ポイントがあるので、川田さんに体験していただいたものでも、多分50〜60ぐらいは分岐しているはずです」とのこと。酒井さんが運営するマーダーミステリーの体験スペース「Rabbithole」「デジタル周りの人」としての活動から今に至るまでそんなマーダーミステリーが体験できるスペース「Rabbithole」を運営する酒井さんですが、川田さんは酒井さんに対して元々「デジタル周りの人」という印象を抱いていたそう。酒井さんのキャリアや川田さんとの出会いについても深掘りしていきました。川田さんによる「デジタル周りの人」という印象については酒井さんも「そうですね、仮想空間で何かをやったりSNSで何かをやったり。(当時の)Twitter、Facebookの授業とかもやらせてもらってました」と川田さんと知り合った当時のことを振り返ります。川田さんはNHKで2011年に放送された「AR三兄弟の野望」での企画「AR小林幸子」をあげ、「拡張を手伝ってもらって、そのときSecond Life(3DCGで構成された、インターネット上の仮想世界での生活を体験するゲーム)にも詳しくて、大変助かったんですけど、でも今や体験クリエイターになってるから。デジタル方向じゃない方向でね。どういう紆余曲折があったんでしょうか?」と質問します。「本当に紆余曲折したんですけども、大きな転換点としてボードゲームと出合って」と酒井さん。ボードゲームの「自分じゃない物語の役割として、ゲームをする」感覚が「すごく好き」でハマっている中で「マーダーミステリーっていう新しいのがあるよ」と声をかけられたことがあったそう。そこで「すごく可能性を感じた」と振り返ります。日本語で遊べるシナリオがまだ少ない時代の体験「初めて遊んだのは2019年の春ごろ。当時日本語で遊べるシナリオが三つか四つぐらいの時代です」。あるボードゲームカフェが「台湾からボードゲームのパッケージとしてリリースをしたいから、新しいジャンルだから認知度を高めるために、キャンペーン的に体験会をやってくださっていたんですよ」という機会でマーダーミステリーを知った酒井さん。そこから作り手になったきっかけを聞くと、「白坂翔という、ボードゲームカフェ『JELLY JELLY CAFE』を作った友人に、体験が終わった直後に電話して『とんでもないものが見つかった』『1個のボードゲームのジャンルとかのレベルではないので、僕これ本気でやりたいんだけど、一緒にやらない?』って言ったら、『専門店作りましょう』ってその電話だけで言ってくださって。そこからもうとにかく作る動きに入りましたね」と振り返る酒井さん。「その衝動はわかります、まさに今僕がその状態ですね」とマーダーミステリーの魅力に川田さんも頷きました。その後放送では、参加者のキャンセルがあると登場人物が足りなくなってしまうというマーダーミステリーの運営面の課題に対して「欠員が出た際にAIが人物に代われないか」という川田さんの提案や、物語中にARを活用してはという話題では、酒井さんが「ARを見るためのデバイスを物語の体験に溶かしていけば、操作自体が物語内の体験になればリアリティがある」と返すなど、マーダーミステリーの拡張について熱いディスカッションが繰り広げられました。自身を切り取った一言は「人生で遊ぶの何回目?」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。酒井さんが自身を切り取った言葉は「人生で遊ぶの何回目?」フォントは「オズ」。フォントについて「やっぱり物語のタイトルみたいなものに多分僕は意識が行く」、切り取った言葉の意味については、「マーダーミステリーは、繰り返すとそれはもういろんなキャラクターの人生を遊ぶことにもなりますし、そもそも僕自体が人生の中でもいろんなボードゲームとかいろんな遊びを追いかけているので、こういう言葉かなと思います」とその意味を語りました。PODCAST | 川田十夢×酒井りゅうのすけ%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplayer.sonicbowl.cloud%2Fepisode%2F91a00760-df62-4eb9-b326-9bc6e426424f%2F%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20height%3D%22240%22%20width%3D%22100%25%22%20style%3D%22border%3A0%22%3E%3C%2Fiframe%3E