5月9日(金)は、YOASOBI、野田洋次郎、羊文学、imase、KIRINJIなど多数のアーティストの楽曲のMVを手掛けるクリエイティブディレクター・映像監督の鈴木健太さんが登場。これまで手がけたMVの事例にも触れながら、音楽をとりまく環境の変化や、制作におけるAI活用などについて語りました。▼目次YOASOBI「PLAYERS」MV “プレイステーション®30周年”にちなんだ“30組”鈴木さんが手がけた作品の中でまず番組ナビゲーター・川田十夢さんが触れたのが、初代プレイステーション®発売30周年記念プロジェクト「Project: MEMORY CARD」から生まれた楽曲YOASOBI「PLAYERS」のMV。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FZfR_FP_7w00%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3EこれはPlayStation ®30周年を記念し、国内外から総勢30組の新進気鋭のクリエイターが参加(MV発表時のプレスリリースより)したMV。「映像が面白いよね。瞬間瞬間で違う作家だなと思って、『これどういうことで作ってるんだろう』と」、「気になる映像の文体を持っている人たちがにオムニバス的に集まっていて、どういうことなんだろう」とMVを見た時の印象を語った川田さんそれに対し鈴木さんは「(YOASOBIの)Ayaseさんとお話しするなかで、いろんな人の記憶の奥底にある“ゲームの思い出”をどう蘇らせるか考えたときに、一人の作家が描き切るよりは、いろんな人の記憶の断片だったり、強烈に好きなゲームだったり、『俺、今だったらこのゲーム作りたいな』みたいな人の集合体で描けるとこの楽曲の持つパワーを最大限引き出せるかなと。それもあって、30周年にちなんで30組のクリエイターさんと一緒につくったんです」と意図を語りました。制作では「海外のすごい気になってる作家さんとかアタックしちゃったりして」、Slackでのやりとりを通して仲良くなった機会もあったそう。映画を制作後、MVなどを手がけるようになった理由「映像大好きですね。元々クレイアニメ(編注:粘土によるキャラクターを動かして撮影するアニメーション)とかが大好きで、1フレーム1フレームを見るのがすごい好き」という鈴木さん。川田さんは、鈴木さんに「10年前ぐらいに」会っていたそうで「お会いした時はもう映画監督でしたから。『TOKYO INTERNET LOVE』ね。あのとき新人監督かと思って話していたら、キャリアが既に僕より先輩だったから」と振り返ります。その時は「(映画のみならず)商業的な分野もやるって思っていなかった」という印象だったようで、「何か意識の変化があったんですか」と質問。鈴木さんは「高校生の頃から自主映画を作っていて、そのなかで『人にどう伝えるか』という技術そのものに興味が湧いてきて。自分の想いだけでなくいろんな人の想いも含めてなにかを作れるようになると面白そうだなと思って、MVを皮切りに、デザインや広告だったりいろいろ作るようになった」といいます。ずっと聴いていたアーティストとの仕事 その時の心境は?鈴木さんがMVを手がけたアーティストにはKIRINJIも。そこで川田さんからは「KIRINJIがやけに好きだとか、(出会った)当時から言ってたよ。まだ一素人だったときに聴いていたミュージシャンと仕事するという気持ちはどんな感じですか」と質問が。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FY36b8_WFejI%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E「『なんで俺が』みたいな感じになるときはたまにあるんですけど、アーティストの方と同じ方向を向いてフラットに話せたときには、昔の自分に見せてやりたいなというか」とその心境を明かした鈴木さん。特にKIRINJIは「母がずっと聴いていて」「子供の頃からずっと聴いていた」存在とのこと。KIRINJIについては鈴木さんからコンタクトしたそうで、「『MV作りたいです』とメールを送って、作品を見てもらって、2年後に声をかけてもらった。やっぱり言ってみるものだなと。今はメールアドレスが結構どこにでも開放されているから、意外とマネージャーにメールすると、『なにかやる?』みたいに言ってもらえるチャンスがある時代」と明かしました。タイムラインに流れてくる表現は「ある程度成熟」続いての話題は音楽をとりまく環境の変化。「盤(CD)を買わないとか、サブスクになっていたりとか、ストーリーとかTikTokの方が(映像が)回りやすいとか、いろんな変化がありますけども、この潮流をどう捉えてますか」と川田さん。「ストーリーとかが自然に(タイムラインに)流れてきて、入口としていろんな音楽を知る機会だったり、『こんな人いるんだ』みたいなことにはなると思うんですけど、表現としても面白いところもあるなと思いつつ、ある程度成熟もしてきたかな」と鈴木さんは考察。さらに「縦動画で流れてきたもので、がっつり本当に好きになるものって結構少ないのかな」とも感じているそうで、「そういう意味ではMVもそうですけど、作品をちゃんと作ろうという意識にもむしろ戻ってきている。縦(型動画)で何か面白いことできないかな、みたいなこともいろいろ考えたりはしたんですけど、今はむしろ1本のちゃんと愛してもらえるもの・自分が愛せるものを作るということの方が大事なのかな、みたいな感じになってきている」と語ります。「その最たるものが映画だったりする。やっぱりあの黒い箱(映画館)の中に入って2時間ガッツリ集中して観る。それってむしろ今すごい価値があるのかなと思ったりします」という鈴木さん。「再び自分の作品(映画)も作り始めている」そうです。放送では、鈴木さんが見た「最近面白かったミュージックビデオ」についても。高所恐怖症だという鈴木さんが「TikTokとかが流行ってても、100年前に蒸気機関車の映像で人々が驚愕したように、未だにこういう高所恐怖症に僕は反応できるんだというのがちょっと嬉しかった」という唾奇, Kohjiya「PAGE ONE」や、「曲をどう味わい深く面白くしていくか」という点から「見てて心地いい」と感じたという千葉雄喜「重てえ」を挙げました。また、制作におけるAI活用についてのトークも。鈴木さんは「僕もいろいろ試していて、ツールもたくさんあるんですけど、この1年ぐらいで本当に何でも作れちゃうようになるだろうな」と感じている中で、AIから生まれた作品については「まだお話としてちゃんと面白いものってなかったりするから、これから楽しみだな」という感覚とのこと。自身を切り取った一言は「風来坊」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。鈴木さんが自身を切り取った一言は「風来坊」。今回のトークでも話題にあがったKIRINJIをあげ、「元KIRINJIの堀込泰行さんが『風来坊になりたい』みたいなことをどこかで言っていたのを思い出して。記憶違いだったらすみません」と鈴木さん。そのエピソードに加え、自身の「映像だけじゃなく、行き当たりばったりなんだけど面白いところにたどり着く、そういう人でありつづけたい」という思いを込めた一言で自身を切り取りました。「もう本当にモリサワは命みたいな感じで」とMorisawa Fontsをよく使用しているという鈴木さん。フォントが網羅された見本帳を改めて見て「こんなたくさんあるんですね」という感想もあった中で、「これが多分人生で一番使っているフォント」として「太ゴB101」 をセレクト。鈴木さんは「汎用性が高くて、企画書などで一番締まるやつ」と「太ゴB101」の特徴を表現しました。PODCAST | 川田十夢×鈴木健太本記事の放送回をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F3ai8tiZqlLOvKyW0tkXvMj%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameborder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E