乃木坂46「君の名は希望」楽曲提供時のエピソード番組ナビゲーター・川田十夢さんは、杉山さんが手がける曲の印象について「音階と言葉の繋がりの密度がすごい」と表現。それを受け杉山さんは自身が作曲する際「デモの段階で、仮歌詞をデモテープにつけるんです。それにめちゃくちゃこだわったりする」と明かします。乃木坂46の楽曲は秋元康さんが歌詞を手がけるため、その仮歌詞とは異なる歌詞になりますが「(曲の)世界観を思い浮かべやすいように言葉は大事だと思う」と、自身が作曲する楽曲のデモで仮歌詞を入れる意図を語る杉山さん。さらに「乃木坂46のコンペってものすごい曲が集まるので、歌詞でもパンチを残せないとなかなか選んでいただけない」とも。川田さんはコンペについて「例えばどんな感じのお題が出るんですか」と質問。「例えば夏を盛り上げたい曲なのかとか、乃木坂46らしい世界観を表現できる曲なのかとか」「すごく限定しているもの(お題)ではないんですけど、次に盛り上げたい曲を出すのかとか、しっとり聴かせる曲を出したいのかでだいぶ方向性は変わってくると思うので、そういう意味では指定がある」と明かした杉山さん。「(乃木坂46の楽曲)『君の名は希望』の時はどうでしたか?」と川田さん。杉山さんは「制服のマネキン」で乃木坂46に初めて楽曲提供をしたと振り返り、「制服のマネキン」リリース当時、「まだ乃木坂46って明確に『これをやるグループ』と定義されていないんじゃないかと思って。お嬢様な雰囲気もあるし柔らかいイメージがあったので、(そのイメージに合う)ちょっとクラシカルな要素があるような音の薄い曲を作って、『秋元さん、これ聴いてください』ってやらせていただいたのがあの曲になった」と振り返ります。音楽のルーツの一つはMr.Children川田さんは以前杉山さんがフォークデュオ(TANEBI/元USAGI)の一員として活躍していた点に触れ、その当時の楽曲について「フォークデュオ時代からかなりアレンジが凝っている。すごく作りが繊細」と印象を語り、その理由を訊ねます。そのような楽曲を生み出してきた背景としては、「母がクラシックピアノの先生で、家でずっと(ピアノが)流れててそれを聴いて育ったという部分」と、「バンドに憧れて音楽を始めた人間」で「Mr.Childrenの音楽に触発されてギターを始めた」、この二点を挙げた杉山さん。「ミスチル(Mr.Children)もフォークの要素があったり、バンドの要素が強かったり、楽曲にもよるんですけど小林武史さんのストリングスのアレンジがあったり。その親しみというか、その延長線上で多分今の自分の音楽を作っている」と自身のルーツを語りました。早稲田大学に進学してよかったこと杉山さんは早稲田大学理工学部出身。「理工学部に行ってよかった」と感じたことがあるかという質問に対しては、実は「別に理工学部じゃなくても良かったんです」と明かします。ただ、早稲田大学への進学という点について「僕をスカウトしてくださったのはゴスペラーズをスカウトしたラッツ&スターの佐藤善雄さん。どうやったらプロになれるかわからない時代だったので、プロがたくさん出ているところに行ったらプロになれるかもしれない」と「一生懸命そういう場所に近づいたみたいな感じ」と語り、ゴスペラーズが早稲田大学のサークルを舞台に結成されたという背景から進学を決めたよう。入学後は「建築学が一番課題が多くて、『本当失敗した』って思いながら」も、「すごい人がいっぱいいたり、早稲田って(学業以外の道へ)踏み外す人もいっぱいいてくれたので、いい意味で僕も音楽に挑戦しやすい土壌はあったんです」と、早稲田大学ならではのよかったことを振り返りました。生成AIの普及をどのように感じているか話題は生成AIについても。川田さんは「(生成AIを通して)作曲もカジュアルにできるようになっている中で、作曲の世界は今どのように見ていますか?」と質問。すると「まず、若い子に関しては“急げ”ですね。生成AIでヒット曲がたくさん生まれちゃう時代の前に作れていたという証明、人類が最後に音楽を自力で戦って生み出してヒット曲を作った最後の世代になると思うので」と杉山さん。生成AIが普及することで「(その楽曲を)人が作ったかどうかわからないというのが事実になっていっちゃうと思うんですよね。そこの部分を証明できる、そこで評価してもらえるというのが、音楽家としては半分ぐらい大事なポイントだと思っているので、そこを“急ごうよ”というのがある」とし、さらに「ツールを使いこなす瞬間と音楽の喜びを感じる瞬間」について触れ、「やっぱり自分で作って出来上がったものの方が達成感はあるので、そこの難しさは感じているタイミング」と語りました。川田さんも「今の話、すごくクリティカルだなと思って」と同意。「生成AIが、もうちょっと経つと『この人のこういうものをヒントにして曲を作りました』と中身を教えるんですよ。今って(楽曲がサンプリングされる際)サンプルソースがちゃんと尊重されているじゃないですか。『この人が書いたメロディーに影響を受けました』というのがもう明るみになるんです。そのときクレジットされているかどうかですよね。そこを目指せってことだから、杉山さんがおっしゃっていることはすごく合っていると思いますね」と川田さん。自身を切り取った言葉は「CoWRITE」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介していますが、杉山さんがご自身を切り取った言葉として挙げたのは「CoWRITE」。「僕は今事務所を作って、仲間たちと一緒に何かをやるということをしている。それ(一緒にやること)をテーマにしているからCoWRITEという会社にしたんですよね。なのでその言葉が今の自分を表しているのかなと選ばせていただいた」と語りました。フォントは「伝統が息づいて、かつ、ちょっとだけエレガントさと遊び心がある」と「Cetra Display Pro Medium」をセレクトしました。PODCAST | 川田十夢×杉山勝彦%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F4J2TpQCzczTDExI13d9RSo%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameborder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E