「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」初日の所感この日のゲストは、「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」内のアートエキシビション「Ahead of the Rediscovery Stream」でアーティスティック・ディレクターを務めた森山未來さん、キュレーターを務めた吉田山さん、渡邊賢太郎さん。会場からの公開生放送ということで、開催初日となったこの日の感想を聞くと…「僕は基本パフォーミングアーツ、舞台の人間なので、(舞台では)初日からパフォーマンスが続くんですけど、アートフェスティバルやエキシビションは始まるまでが本当に勝負。その違いはいつも感じています」と、俳優・ダンサーとして活躍を続ける森山さん。「MEET YOUR ART FESTIVALはとにかく毎年賑やか。もちろんアートに付随したものに満ち溢れているんですけれど、飲食、ファッション、ポップアップ、音楽、いろんなものがここに全部凝縮されているイベントなので、いろんな理由でここに人が訪れていて、いろんな角度で入ってきた人が、気がついたらアートに触れている」とイベントの魅力を解説しました。吉田山さんは「本当にこの日を迎えられたのは皆さんのおかげです」と感謝を述べた上で「今年ずっとこの日のことを考えながら毎日過ごしてきて」「半分夢のような」と心境を。渡邊さんは他のお二人とも「結構前から」交流があるそうで、キュレーターとして「今までの経験上でも一番大きな機会になりましたし、前から知っているこの二人と展覧会を一緒に作ることができたのはとても嬉しいことでした」と語りました。MEET YOUR ART FESTIVAL 2025 公式サイト(2025の会期は終了しています)松岡正剛さんの影響森山さん・吉田さん・渡邊さんが「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」内で手がけたアートエキシビションのタイトルは「Ahead of the Rediscovery」。これは、編集工学者の故・松岡正剛さんが提唱した「別様の可能性(Another Real Style)」の思想とその実践である「近江ARS」からインスパイアされたものがベースとなっているとのこと(MEET YOUR ART FESTIVAL実行委員会の構成団体の一つであるエイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社のプレスリリースより)。番組ナビゲーター・川田十夢さんはこのタイトルの松岡さんからの影響について質問。「タイトルをみんなで考えていた時に、その段階で招聘されている作家さんはほぼ決まっていて、それを踏まえながら、MEET YOUR ART FESTIVALのコンセプト全体がRediscovery。再発見していこうということで、イコール日本の文化・美術をどういう風に僕らが見つめていくかという部分の中で、自分の中でポップアップしてきたのが正剛さんだったんですよね」と森山さん。 さらに、「晩年少し(松岡さんと)関わる機会があって」と「琵琶湖、近江を起点に日本というものをもう一度捉えていこうというのをやられていたんです」と、松岡さんが生前手がけていた「近江ARS」について言及。森山さんは、松岡さんが持っていた視点について「ダブルスタンダードではなくてデュアルスタンダード。いろんな考え方が並行に走っているんじゃなくて、混ざり合いながらここまで来ているという考え方だったり、日本というものを編集的に捉えつつどういう風に見ていくか」という点が「参考になる」と考えていたそう。さらに、「ARS」が「アート」の語源「アルス」という言葉になるという点を踏まえ、「だったらARSを(頭文字として)なんとかはめ込んでいきたい」と考え、「元々(MEET YOUR ART FESTIVAL全体は)こんなコンセプト(Rediscovery)で行きたいよねという話が出ていた中で今のタイトルに」と、アートエキシビションのタイトルが決まっていった経緯を明かします。「彼(松岡さん)の考え方とか視座を、どうインスパイアできるだろうか、インスパイアされることができるだろうか、みたいなところから始まっていった感じです」と森山さん。俳優業とアート森山さんの俳優業についても深掘り。この「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」会期中は、舞台『チ。 ―地球の運動について―』にも出演の森山さん。「娘や信仰のためと、多くの異端者を追い詰めていく異端審問官ノヴァク」(主催・企画制作のホリプロホームページより)を演じています。川田さんは「(俳優として)演じている中日でアートというのは切り替えできるものなんですか?」と質問。森山さんは「ノヴァクって、知っている方が想像すると結構凄惨というか暴力的なイメージですけど、彼も宗教だったり家族だったり、生活に根ざした信念のもとに生きていった結果の人格だと思うので。そこには労働が伴うし、家族との生活が寄り添うし、すごく一般的な人ですよね」と答えます。さらに、「そのままそういう言い方で考えていくなら、アートという世界においても、生活に根ざしているものからアートというものに発展していったり、アートというものが逆に生活に染み出していったりすることだし…なんていう言い方もできるかもしれないです」と、俳優業でさまざまな役柄を演じるにあたっての感覚と、アートに関する現場の感覚の共通項を語りました。「踊らされて凧」の一言に込めた意味「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。今回は森山さんに質問。森山さんは「パフォーマーとしてお芝居もやったりするし踊ったりもするわけですよね。踊るという行為がいわゆる自分の中のパッション、エモーションを解放していくという“踊る”というのが一般的な考え方なのかなと思いつつ、自分はもうちょっと何かに踊らされているというか、人との関係性、コミュニケーション、場のコンポジションとかで、それによって自然に動かされていくという考え方が結構あって。そんな流れが拡張してくると、アーティスティック・ディレクターを気がついたらやっているということなのかなと自分でも思うことがあり。なので、踊らされるというワードはあるんです」と語り、そこから吉田さんのアイデアで「凧」が浮上、「確かに風のイメージはあったんですよね」(森山さん)と、「踊らされて凧」という一言に決まりました。フォントは、ゲスト三人が書体見本帳を仲良く見ながら楽しそうに選ぶ一幕も。そして渡邊さんがページをめくり、吉田山さんがその中のページに指をさすことに。結果、表現するフォントは「オズ」に決定。「ハリー・ポッターみたいな」と森山さんは字体の印象を語りました。PODCAST | 川田十夢×森山未來・吉田山・渡邊賢太郎本放送をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F7yY6a1gVhIuSNNx6tHVM94%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameborder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E