キャリア初期の大友克洋さんとの仕事番組ナビゲーター・川田十夢さんは、「本当は初めまして、となる予定だったのですが、急に上杉さんが(東京・吉祥寺の)ハモニカ横丁で飲むんだけどと誘ってくれて」と3日前に急遽飲み会が開催されたエピソードを明かします。その時仕事の話はしなかったのですがとしつつ、「上杉さんはド凄い仕事してて。ほとんどリアルタイムで買ってますよ」と、上杉さんがデザインに携わった、アニメ『AKIRA』のBlu-ray、石野卓球さんのアルバム『DOVE LOVES DUB』、漫画家・今敏さんの『OPUS』といった例を挙げます。 ハモニカ横丁での飲み会でも「常連さんに普通のおじさんとして絡まれてましたもんね」という上杉さんの様子を振り返りつつ、錚々たるこれまでの仕事について「言った方がいいですよ」と川田さん。そんな川田さんの手元には、2017年に発売された上杉さんの作品集『THE MACH55GO WORKS 55×20』が。「キャリアの初期に、大友克洋さんという大天才とお仕事をされていますけど、最初はどうでしたか?」と訊ねます。「当時は、そんなにアニメとか漫画に思い入れが強いという感じではなかったので、もちろん作品は知っていましたし、読んでいましたし買っていましたけど(その一方で)神様...みたいな感じで接するわけでもなかったので、大友さんも気楽に接してくださったと思います」と振り返ります。THE MACH55GO WORKS 55×20 | 発行:PIE International作品集『THE MACH55GO WORKS 55×20』で、「アニメーションのコーナーは、僕が作った順番になっているんですけど、『MEMORIES』(漫画原作、製作総指揮・総監督 大友克洋)が一番最初なんですよ」と、『MEMORIES』を「アニメーション系のデザイナーになったきっかけ」として挙げた上杉さん。「当時、『MEMORIES』のオープニング・エンディングに決まっていた石野卓球さんの『DOVE LOVES DUB』のジャケットのデザインを僕が担当して、そのイラストを大友さんが描かれていて。ジャケットデザインの打ち合わせに行った時、そこで『ポスターのデザインが上がっていないんだけどやる?』と言われて、『MEMORIES』の方のお仕事もいただけました」というのが「アニメ関係の仕事にどっぷり」となった経緯だそう。 %3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Falbum%2F2H76RHuq71mNOh2rSREuf4%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E「作品集の帯に、大友さんから『また呑みにいきましょう』って(笑)帯越しに誘われていますよね、これはよほどの仲ですよね」と川田さん。「僕はデザイナーの気持ちもちょっとわかりますが、もし僕が大友さんと仕事をしたら、こんなに凄いデザインができたかなと思うんですよ。あの人の絵の上にラインを乗せても滑っちゃうような感覚にとらわれそうというか....。よくお仕事されましたねと思います。なにか分かり合う瞬間があったのですか」と続けます。上杉さんは、「そうですね....色々と提案して...イマイチと言われることももちろんありましたけど、わりと好きにしていいよと言ってくださることが多くて。やりたかった事ができたかなと思います」と、振り返りました。グラフィックデザイナーは音楽を知っておいた方がいい?続いて『カウボーイビバップ』での渡辺信一郎監督との仕事についてもトーク。「ナベシン(渡辺)さんと僕はほとんど同い年で、渡辺さんも音楽がすごく好きなのでそのあたりで話が合うというか」「リファレンスとして『あのジャケットの…』というのも通じるわけです。そういうところで、仕事しやすいというのはありましたね」という上杉さん。川田さんも上杉さんによるデザインについて「あとから見るとジャズの香りがして」「音楽ジャケットの影響をアニメに持ち込んだことでもある」と語ります。上杉さんも『カウボーイビバップ』については「そうですね、色々パロディっぽいことはやりましたね」とのこと。その渡辺さんや、前述の大友さんについても音楽が「めちゃくちゃ好きです」と明かした上杉さんに、川田さんは「グラフィックデザイナーは音楽を知っておいた方がいいんでしょうか」という質問を。「必須ではないけど知っておいて損はない。ネタ(リファレンス)として、いっぱい勉強になるじゃないですか」「最初、レコードジャケットが作りたくてデザイナーを目指したので、やっぱりいまだに(音楽は)好きですね」と語った上杉さん。さらに「ご自身のことを振り返ってみて、グラフィックデザイナーにとって必要なスキルとか経験って何だと思いますか」という質問には「いろんな面白いものを見ておく、興味を持つということ。それに勝るものはないんじゃないですかね」とのこと。上杉さんも「展覧会とかアート系のことも大好きなので、それが(デザインの)表面には出てこないんですけど、無意識の中に引き出しに貯まっていっているということはあるかもしれないです」とのこと。自身を切り取った一言は「優柔不断」「Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION」では、ゲストに「自分自身の考えを自ら切り取る言葉」を訊ね、その言葉を、ゲストお気に入りのフォントとともに紹介しています。上杉さんが自身を切り取った言葉は「優柔不断」。「優柔不断は決していい言葉じゃないんだけど、字面だけ見ると、『優しくて柔和で人の願いを断れない』みたいな感じがするじゃないですか。そういう、物事の意味を変換していきたい」と語ります。フォントは「昔からある、すごいクラシックな、スタンダードな。これが好きですね」と「秀英明朝」をセレクトしました。PODCAST | 川田十夢×上杉季明本放送をディレクターズカットでお聴きいただけます。%3Ciframe%20data-testid%3D%22embed-iframe%22%20style%3D%22border-radius%3A12px%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fopen.spotify.com%2Fembed%2Fepisode%2F2DxLm1L3Llyus4CKX2MI31%3Futm_source%3Dgenerator%22%20width%3D%22100%25%22%20height%3D%22352%22%20frameBorder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20fullscreen%3B%20picture-in-picture%22%20loading%3D%22lazy%22%3E%3C%2Fiframe%3E